2017年5月に新婚旅行でハワイを予定していましたが、「てるみくらぶ」が倒産したことにより、私も被害者の一人となりました。初めての利用だったのですが・・・
被害に遭われた方の中には被害額が100万円を超えた方もいるようで、楽しみだった旅行だけに、落胆と怒りは相当なものでしょう。私も考えればため息が漏れますが、起こったものは仕方ないと前向きに捉え(もし悪意のある倒産であれば社会的制裁は望みますが)、今回の経験を活かすべく、一連の流れや考えをまとめることにしました。
被害に遭った私が語るのもお恥ずかしい限りですが、旅行・家電・サービスなど、あらゆるものがインターネットを通して「最安値」で購入できるいま、今回のてるみくらぶ経営破綻の一件は、旅行者だけではなく、多くの方にとって他人事ではないと思います。私たち消費者は、今後どのようなポイントに気をつければ良いのでしょうか。
このページでは、今回のてるみくらぶ経営破綻に関する経緯や情報を発信すると共に、今回の問題点や今後の旅行予約の際のポイントを考え、皆様と共有することで今後の糧にしたいと考えています。
てるみくらぶ経営破綻 概要
てるみくらぶ(代表取締役山田千賀子氏)は2017年3月27日(月)に約151億円の負債を抱え、破産を申請しました。負債金額の約151億円のうち約99億円が一般旅行者ツアー約36,000件分で、8〜9万人に影響がある見込みです。てるみくらぶは日本旅行業協会(JATA)に加盟しているため、保証金2,400万円の5倍に相当する1億2,000万円を限度として弁済されます。負債額99億円のうち、1.2億円の弁済ですから、1%程度の弁済になる見込みです。
てるみくらぶの説明によると、資金繰りの悪化で同23日に国際航空運送協会( IATA)に対して支払いができず、現地ホテルや旅行会社への支払いも滞り、破産を申請することにしたと言います。
他に同27日時点で2,000人以上が海外に旅行中でした。また2017年度の新入社員として約50人に内定を出していましたが、同社は内定を取り消しました。既に引っ越しをしていた内定者もいたため、その受け入れを名乗り出る企業が多数現れました。
<関連主要ニュース>
てるみくらぶ発券システムに障害(3/24,東京商工リサーチ)
てるみくらぶ破産手続き開始(3/27,日本経済新聞)
てるみくらぶが代理店の損保、旅行保険料を返還(3/29,日本経済新聞)
てるみくらぶ詐欺の可能性(3/29,ビジネスジャーナル)
てるみくらぶ粉飾決算の可能性(3/30,朝日新聞)
外部連鎖第1号(株)デナリ・エージェンシーが破産へ(3/31,エキサイトニュース)
てるみくらぶツアー、海外渡航中なお1100人(4/3,日本経済新聞)
てるみくらぶ内定者に企業殺到(4/7,朝日新聞)
てるみくらぶ破綻、観光庁再発防止策まとまる(9/8TBS)
私のてるみくらぶ被害額は30万円超
「てるみくらぶ」の存在は10年以上前から知っていましたが、悪評高い噂もあったので利用したことがありませんでした。今回なぜ新婚旅行で初めて「てるみくらぶ」を通して予約したかというと、フォトウェディングなど現地オプションにお金をかけたかったためで、直行便&ハイクラスホテルに関わらず、今まで見たことないほど格安だったからです。ホテルと航空券だけ手配してもらえれば、あとは自分で手配するので、てるみくらぶで良いかなと軽い気持ちでした。
ハワイ島&オアフ島の2島周遊し、ヒルトン・ハイアット泊で2人で25万円程度ですから、自己手配よりも10〜15万円程度お得でした。因みに、今回はオプションのキャンセル料金を入れて30万円強です。。。
てるみくらぶで新婚旅行を申込した理由
「てるみくらぶ」への悪評はWEB上で度々見ることがありましたが、中堅旅行会社で旅行取扱高も相当あり、10年以上続けてきた実績があるのも事実です。「現金一括入金キャンペーン」は私が申し込む以前から実施しており、「資金繰りが厳しいのだろうなあ」とも思いましたが、一時的なもので、まさか倒産にまで至るとは思いませんでした。半年後の旅行を一括入金したことに関しては、キャンセル料は100%かかる内容でありましたが(通常よりも)格安なので、万が一のとき(事故や病気などで)行けなくなってもいいかなと思って入金しました。まさか、本当に行けなくなるとは・・・。
てるみくらぶから届いたメールを公開
私は、2016年12月24日(土)にてるみくらぶに会員登録とハワイ旅行の申し込みを、12月26日(月)に旅行代金を現金一括で振込ました。
途中、てるみくらぶからスケジュール変更のお知らせが届き(申込時点で利用便が決定していない格安旅行では、しばしこういったことがあります)、テレビでの経営破綻会見後の3月29日(水)に山田社長から謝罪のメールが届きました。
私がてるみくらぶに会員登録した日から、てるみくらぶ経営破綻後に山田社長からのお詫びメールまでを公開します。
●てるみくらぶから送られてきたメール一覧
●「ハネムーンです^^とっても楽しみに」していたのですが・・・。
↑「現金一括入金対象商品」と記載がありますね。私の記憶では申込から3営業日以内に現金一括入金することが条件でした。
●スケジュール変更のメール(2017/02/25)
↑帰国日の到着時間変更のお知らせが届きました。到着時間が遅れることにより、困ることはなかったので安心していたのですが・・・。
●山田千賀子社長からのお詫びメール(2017/03/29)
↑テレビでの経営破綻会見後に送られてきたメールです。
被害に遭われた方へ
はじめにてるみくらぶの公式サイトを熟読することをお勧めします。
【てるみくらぶお問合せ窓口】TEL:03-3499-7555 (平日10-17時)
①3月27日以降出発予定だった方
1、カード払いの方は確認を
旅行代金をカードで決済した方は、利用したカード会社へ連絡をしましょう。支払いのキャンセルや停止ができる可能性がありますので、引き落とし前の方やリボ払いの方は、いち早くカード会社へ相談しましょう。
2、旅行代金を支払っている人は、日本旅行業協会に情報提供をしましょう。
https://form.qooker.jp/Q/ja/bensai/no4235/
日本旅行業協会からの返信によると「パンフレットや領収書、取引に関するメール」は提出が必要なので保管するようにとのことです。認証申出書類は6月中旬に一斉送付されるそうです。私の場合は3,000円ほどの弁済になると思うので、手間のことを考えるとこのまま辞退しようと思います。
3、保険会社へ連絡
旅行保険に加入していた場合は、保険代金が返金されることがありますので、加入している保険会社に連絡してみましょう。てるみくらぶが提携していた「Chubb損害保険株式会社」の案内は下記のURLからアクセスしてください。
https://www2.chubb.com/jp-jp/news/20170329_info.aspx
4、旅行予約をしましょう
残念ながら、てるみくらぶは破産したため、このままでは旅行に行くことはできません。このまま旅行を中止するか、新たに旅行を手配する必要があります。
【 JTBはこちら 】
【 近畿日本ツーリストはこちら 】
【 エクスペディアはこちら 】
②旅行中の方
1、まずは身の安全を確保しましょう。
2、帰りの航空券を確保しましょう。
一度発券された航空券(IATA加盟の航空会社)は基本的に使えるので搭乗することができます。万が一、航空券を買い直す必要があり、航空券を購入する現金が無い場合は、日本にいる家族や友人に手配してもらったり、国際送金をしてもらいましょう。詳しい方法が分からない場合、日本大使館へ相談してください。
3、保険会社へ連絡をとりましょう
加入している保険プランによっては一定の限度で保険料が支払われる場合があります。
また通訳が必要な場合は、加入している保険会社のサービス内容を確認してみましょう。例えば、損保ジャパン日本興亜の新・海外旅行保険には「海外とらべるサポート」がサービスで付随しており、緊急トラブル時に電話通訳サービスを行っています。言語が通じない場合に、心強いですね。また実費は必要ですが、航空券などの手配も行ってくれます。
4、ホテルで代金を支払えと言われたら
既に滞在先のホテルで「てるみくらぶから代金を受け取っていないから(旅行者が)支払ってください」と言われていることが報告されています。ホテルがてるみくらぶに取り立ててくれれば良いのですが、間に現地の旅行会社が入っている場合など、どうにもならない場合があります。
身の安全のために支払うよう観光庁は伝達していますが、基本的に海外で一度支払ったお金は戻ってこないとされています。ホテルと代金について少しでも安価にしてもらうよう交渉し、もし納得の行く料金で話がまとまらない場合、最終手段として別のホテルを探すのも良いでしょう。
てるみくらぶの破綻で学ぶこと
てるみくらぶの経営には無理がありましたが、格安旅行の全てが悪いわけではありません。ただし、安いには何かしらの理由があり、格安に潜むリスクをきちんと理解をして、サービスを利用するということです。
格安=悪ではない。ただリスクを考える
てるみくらぶの一件は、旅行者が代金を支払っていても、てるみくらぶが航空会社やホテルに支払いを滞ったまま破産したため、旅行がキャンセルされ、返金もされないという事態になりました。
旅行会社を通さず、直接の自己手配なら今回のような”企業の破産”の影響を受けないわけですが、例えば格安航空券には他のリスクも潜みます。ほとんどの格安航空券は変更ができません。従って、急用や病気や事故などで航空券が無駄になるといったこともあります。
基本的には格安旅行や格安航空券の場合、値段が安いなりの理由があり「何かトラブルが合った場合は、自分で対処する必要がある」と言えます。
安心を買うなら格安に手を出さない
この点から考えると、大手旅行会社を利用すれば事前に経営状況が分かるので経営破綻に巻き込まれる確率は減りますし、添乗員同行の旅行でしたら、トラブルがあった場合でもほとんどのことは添乗員さんが指示してくれます。LCCでは遅延しても殆ど保障がありませんが、レガシーキャリアなら振替便や時には宿泊施設を用意してくれることもあります。また運賃が高い代わりに、変更やキャンセルができる航空券もあります。
従って、値段の裏に潜むリスクを見極め、自分に合った旅行を選ぶことが必要です。
現金一括キャンペーン
消費者から現金で決済してもらえれば、旅行会社はカード会社への手数料を支払わずに済みますし、現金がすぐ手元に入ってくるので経営的にメリットがあり、その分お得な金額で販売できます。また”キャンセルはできないことを条件に割引する”旅行商品も多数あります。早く予約を確定させることで経営を安定させることができるからです。従って「現金一括入金」や「早期予約・入金」が必ずしも怪しいといったわけではありません。
しかし、今回私が誤ったと反省するのは、以前から「現金一括キャンペーン」を実施しているのを知っていながら、大金を振込してしまったことです。「資金繰りに困っているのかな」と頭によぎったものの、倒産のリスクは考えていませんでした。金額だけの問題ではないですが、特に大きな買物のときは、細心の注意が必要ですね。
できるだけクレジットカードで支払う
てるみくらぶの一件では、 Yahoo!JAPANカードなど一部のクレジットカードでは、ツアー代金の返金を行っているようです。(※支払時期により異なる)現金一括入金ではなく、クレジットカードで支払う方がリスクが少ないと言えますね。
私の申し込んだプランは「現金一括のみ」でしたが。。。
クレカや保険のサービスをうまく活用する
今回の破産劇のような場合には、金銭的な補償は望めませんが、トラブル時に簡易通訳などでサポートをしてくれるクレジットカードや海外旅行保険は旅行に出かける上で心強い存在です。
例えば、私が持っているAMEXは、「オーバーシーズ・アシスト」というサービスがあり、英語の簡易通訳をお願いしたことがあります。ホテルとトラブルがあったときに大助かりした経験があります。しかも嬉しいことに無料です!
また航空便の遅延費用補償や旅行傷害保険・携行品損害などの海外旅行保険や、突然の病気などで海外旅行にいけなかったときにキャンセル費用などの損害を補償してくれる「キャンセル・プロテクション」、カードで購入した商品が破損盗難にあった場合に補償してくれる「ショッピング・プロテクション」が付帯するので、もしものときにも頼れるカードです。
※こちらの記事(マイル部)に記載していますが、今なら私の紹介としていただくことで初年度年会費無料となり、一定額利用で20,000マイル相当のボーナスポイントを獲得できます。※投稿時点の情報です。
クレジットカード保有が難しい場合は、海外旅行保険でリスクを補うのが望ましいです。海外旅行保険もオンラインで申込をすれば”格安”です。オンラインで申込する保険が格安な理由は、人件費や家賃がかかっていないからで、店頭で申込をするのと内容は変わりませんのでご安心ください。
てるみくらぶ 記事まとめ
私は”値段が安いだけ”の旅行は好まず、”支払う対価に見合っているか”という基準で旅行予約をします。上質な旅行がお得であれば、喜んで申込をします。
今回大きな授業料を払うことになりましたが、明らかに自己手配よりも(同内容で)格安ツアーが”お得”な場合は、これからも格安ツアーを私は利用すると思います。ただし、高額なツアーに関しては、リスクを見極め、旅行会社や決済方法を選ぶことを肝に命じました。
一方で、こちらの記事でも紹介していますが、マイル部を公開してまだ2ヶ月ほどですが、30万マイル(ビジネスクラスでハワイ3往復相当)を貯めることができ、ホテルも無料でグレードアップできる旅行術などを身につけていますので、日を改めてお得に上質な新婚旅行に出かけたいと思います。格安ツアーよりもコスパが良いので、これからはマイルで飛行機に乗ります。今回のような騒動にも巻き込まれないと思うので。。。
最後までお目通しいただき、ありがとうございました。当記事が皆さまの何かのお役に立つことができれば幸いです。
追伸:「トラベルにトラブルはつきものだ!」とよく言いますが、まさか出かける前にトラブルに遭うとは・・・。トホホ・・・。